After Effects 26.2では、タイムライン上で複数レイヤーのプロパティを効率よく調整できる新機能「比例スクラブ(Proportional Scrub)」が追加されました。
この機能を使うことで、単純な一括変更ではなく、選択順に応じて変化量を段階的に分散させる操作が可能になります。
比例スクラブとは
比例スクラブとは、選択した複数のレイヤープロパティに対して、ホットテキスト値※をドラッグすることで、選択順に応じた段階的な値の変化を自動で作る機能です。
レイヤーごとに個別調整する必要がなく、1回の操作で自然なばらつきを作ることができます。
どのような変化が起きるのか
比例スクラブでは、選択順によって以下のような分散が自動で行われます。
- 最初に選択したレイヤー:変化量は0%
- 最後に選択したレイヤー:最大の変化量(100%)
- その間の全てのレイヤー:選択順序での位置に応じて分散された比例値で変化
1回のドラッグ操作で、複数レイヤーの値に段階的な差を均等に分散でき、カスケードやグラデーションのような変化を簡単に作ることができます。
操作方法
変化させたいレイヤーを「順番を意識して」選択します。今回は下から上へ順番に選択しました。

以下のキーボードショートカットキーを押したまま、いずれかのレイヤーのホットテキストをドラッグします。
- Windows:Ctrl + Alt
- macOS:Cmd + Opt
今回は位置プロパティのX座標のホットテキストをドラッグしています。

X座標が比例的に変化しているのがわかります。

最後に選択したシェイプレイヤー4は最大の変化値となっています。
どんな場面で使える?
比例スクラブは、特にモーショングラフィックス制作で効果を発揮します。
- 複数オブジェクトの位置を自然にずらす
- スケールに段階的な変化をつける
- 並んだ要素にリズムや流れを作る
- グラフィックに動きのグラデーションを付ける
複数レイヤーの値に段階的な差を一括で付けられるのが強みです。
スケール使用時の注意点
スケールに対して比例スクラブを使う場合は少し特殊です。
- 最後に選択したレイヤーの縦横比が基準になる
- その比率を維持したまま他のレイヤーに分散される
そのため、意図しない変形を防ぐためには「最後に選択するレイヤー」が重要になります。
まとめ
After Effects v26.2で追加された「比例スクラブ」は、複数レイヤーの値に段階的な差を一括で付けられる新しい調整機能です。選択順に応じて変化量が自動的に分散されるため、これまで手作業で行っていた細かな調整を大幅に効率化できます。
特に、複数の要素に規則的な差をつけたい場面では効果的で、モーショングラフィックス制作における作業スピードと操作の自由度を底上げしてくれる機能といえます。



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