映像制作のプロは、普段どのようなPC環境で作品を制作しているのでしょうか。
ASUSが公開しているYoutube動画「ProArt for Studio ft. FrostFX」では、エストニアのVFXスタジオ「FrostFX」を率いるMarko Post氏が、実際に使用しているPC環境や、制作現場で求められるハードウェアについて語っています。
本記事では、この動画で紹介されているPC構成をもとに、プロの映像クリエイターはどのような機材を使っているのかを紹介します。
プロの映像クリエイターがどのようなPC環境で制作しているのか興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
VFXスタジオ「FrostFX」とは?
FrostFXは、エストニア・タリンを拠点に活動するVFXスタジオです。
同スタジオは、映画やテレビ作品向けのビジュアルエフェクト制作を手掛けており、HBOのドラマ作品「The Penguin」では130以上のショット制作に携わっています。
今回紹介する制作環境を使用しているのは、FrostFXを率いるMarko Post氏です。
Marko Post氏は、VFXアーティストとして長年映像制作に携わっており、現在はVFXだけでなくAIを活用した新しい映像表現にも取り組んでいます。
FrostFX CEO Marko Post氏が使用する映像制作環境
ASUSが公開した「ProArt for Studio ft. FrostFX」の動画では、Marko Post氏が実際に使用している制作環境が紹介されています。
使用しているPCは、VFXとAIワークフロー用に構築された「TopPC Creator MAX Powered by ASUS」とのことです。
現行の販売モデルとはスペックが違っているようなので、分かる範囲で以下にまとめました。
| パーツ | 構成 |
|---|---|
| マザーボード | ASUS ProArt Z890-CREATOR WIFI |
| CPU | Intel Core Ultra 9 ※285Kと思われる |
| CPUクーラー | ASUS ProArt LC 420 ※動画内の映像から判断 |
| GPU | ProArt GeForce RTX™ 5080 16GB GDDR7 OC Edition |
| メモリ | 128GB(32GB x 4)※Kingston FURY Beast DDR5 メモリだと思われる |
| ストレージ | ストレージは不明。 現行販売モデルでは標準で「Lexar NM790, 4TB, M.2 Gen4 x4」が選択されています。 |
| PC電源 | 電源は不明。 現行販売モデルでは標準で「ASUS TUF Gaming 1200W Gold」が選択されています。 |
| PCケース | Asus ProArt PA602 Wood Edition – Metal Panel, Black ※動画内の映像から判断 |
| モニター | ASUS ProArt Display OLED PA32UCDM |
一部パーツについては明確に公開されていないため、映像内や現行販売モデルから推測していますが、だいたいこんな感じだと思います。
また、これ以外にもキャッシュドライブ用のM.2 SSDとか、大容量HDDを追加しているものと思いますが、標準構成的にはこんなもんでしょう。
同じ構成を日本で購入するといくらかかる?
では、この構成を日本で自作するといくらになるのでしょうか?
自分で自作する場合
2026年8月1日現在のAmazon価格※をもとに自作するといくら掛かるのか検証しました。
※価格は変動するためあくまで参考価格です。
| パーツ | 参考価格 |
|---|---|
| ASUS ProArt Z890-CREATOR WIFI | 75,527円 |
| Intel Core Ultra 9 285K | 98,326円 |
| ASUS ProArt LC 420 | 37,800円 |
| ProArt GeForce RTX™ 5080 16GB GDDR7 OC Edition | 291,891円 |
| 128GB(32GB x 4)Kingston FURY Beast DDR5 | 370,000円 |
| Lexar NM790, 4TB, M.2 Gen4 x4 | 103,844円 |
| Asus TUF Gaming 1200W Gold | 29,800円 |
| Asus ProArt PA602 Wood Edition – Metal Panel, Black | 39,879円 |
| ASUS ProArt Display OLED PA32UCDM | 271,700円 |
PCのみの価格だと1,047,067円、モニターを合わせると1,318,767円となりました。
2026年は半導体需要の拡大や部材価格の上昇などにより、PCパーツ全体が高価格化しており、今回のような構成ではPC本体だけで100万円を超える結果となっています。
さすがにここまでくると、個人で気軽に手を出せる価格ではありませんね。プロの制作現場がどれだけ高性能な環境で仕事をしているのかを実感させられます。
今回は、Amazonの価格だけで調査しましたが、他のショッピングモールのほうが安く変える場合もあると思います。他のショッピングモールの価格も調べたい場合は以下をご利用ください。
マザーボード
CPU
CPUクーラー
GPU(グラフィックカード)
メモリ
ストレージ
PC電源
PCケース
PCモニター
BTOショップで購入する場合
ドスパラとマウスコンピューターでチェックしてみましたが、どちらもデフォルトの構成だと、今回の想定スペックには届かなかったのでカスタマイズを行って構成を近づけてみました。
2026年8月1日現在の価格で検証しています。価格は変動する可能性があります。
ドスパラPC
GALLERIA XUC9A-R58-CB アニメーション制作向けモデルの標準構成
これを以下のようにカスタマイズします。
- 1000W 電源 (80PLUS GOLD) ⇒ 1200W 電源 (80PLUS PLATINUM)
- 64GB (32GBx2) (DDR5-5600) ⇒ 128GB (32GB×4) (DDR5-3600) [納期3日程度]
- 2TB SSD (M.2 NVMe Gen5) ⇒ 4TB SSD (NVMe Gen5) WD SN8100 (読込速度 14900MB/s,書込速度 14000MB/s)
カスタマイズ合計金額:1,293,080円
GALLERIA SMC9E-R58-GL 『Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC、PC Game Pass同梱版』の標準構成
これを以下のようにカスタマイズします。
- 1000W 電源 (80PLUS GOLD) ⇒ 1200W 電源 (80PLUS PLATINUM)
- 64GB (32GBx2) (DDR5-5600) ⇒ 128GB (32GB×4) (DDR5-3600) [納期3日程度]
- 2TB SSD (M.2 NVMe Gen5) ⇒ 4TB SSD (NVMe Gen5) WD SN8100 (読込速度 14900MB/s,書込速度 14000MB/s)
カスタマイズ合計金額:1,215,080円
マウスコンピューター
G TUNE FZ-I9G80(型番:FZI9G80G8BFDW102DEC)の標準構成
これを以下のようにカスタマイズします。
- 32GB メモリ [ 16GB×2 ( DDR5-5600 ) / デュアルチャネル ] ⇒128GB メモリ [ 32GB×4 ( DDR5-4400 ) / デュアルチャネル ]
- 2TB NVMe SSD ( M.2 PCIe Gen4 x4 接続 ) ⇒ 4TB NVMe SSD TLC ( M.2 PCIe Gen4 x4 接続 )
カスタマイズ合計金額:1,332,300円
検証結果まとめ
今回検証した結果をまとめると、以下のようになりました。いずれもFrostFXの構成に近づけることを目的にカスタマイズした参考価格です。搭載パーツが完全に同一ではないため、あくまで目安としてご覧ください。
| 購入方法 | 参考価格(税込) |
|---|---|
| Amazonでパーツを揃えて自作 | 1,047,067円 |
| ドスパラ GALLERIA SMC9E-R58-GL 『Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC、PC Game Pass同梱版』(カスタマイズ) | 1,215,080円 |
| ドスパラ GALLERIA XUC9A-R58-CB アニメーション制作向けモデル | 1,293,080円 |
| マウス G TUNE FZ-I9G80(カスタマイズ) | 1,332,300円 |
今回の検証では、自作が最も安く、BTOショップでは約17万~29万円ほど高くなるという結果になりました。
BTOモデルは組立・動作検証・保証などが含まれるため単純な価格比較はできませんが、コストを重視するのであれば、自作が最も安く同等クラスの環境を構築できそうです。
一方で、すぐに使える状態で購入したい場合や、長期保証・サポートを重視する場合は、BTOショップを選ぶメリットもあります。
プロの映像制作環境を構築したい方は参考にしてみてください。
プロの映像制作環境から見る、PC選びのポイント
今回紹介したFrostFXの制作環境は、あくまでVFXスタジオで使用されている一例です。すべての映像制作者が同じスペックを必要とするわけではありません。
Marko Post氏は、制作環境について「ハードウェアを意識せず、ストーリー作りに集中できること」が重要だと語っています。
プロの映像制作では、処理性能はもちろんのこと、長時間の作業でも安定して使い続けられる環境が重要であることが分かります。
「プロはどんなPCを使っているのだろう?」という疑問を持っていた方は、ぜひ今回紹介した制作環境を今後のPC選びの参考にしてみてください。













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