After Effects 26.3では、マスクトラッカーがアップデートされました。新しいトラッキングアルゴリズムの採用により最大5倍の高速化と精度向上を実現したほか、タイムラインパネルから直接トラッキングを操作できるようになり、これまで以上に快適に作業できるようになっています。
マスクトラッカーが高速・高精度化
今回のアップデートで最も大きな変更点は、マスクトラッカーの解析アルゴリズムが更新されたことです。
以下の4つのトラッキング方法で新しいアルゴリズムが採用され、最大5倍の高速化とトラッキング精度の向上が実現されています。
- 位置
- 位置と回転
- 位置・スケール・回転
- 位置・スケール・回転・スキュー
従来は解析に時間がかかっていた長尺のクリップでも、待ち時間が短縮され、よりスムーズにトラッキングを実行できるようになりました。
また、精度も向上したことで、途中でマスクがずれて手動で修正する場面も減り、マスクトラッキング作業全体の効率アップが期待できます。
タイムラインパネルから直接トラッキング操作が可能に
もう一つの大きな改善点が、タイムラインパネルから直接マスクトラッキングを操作できるようになったことです。
これまではトラッカーパネルを開いて操作する必要がありましたが、After Effects 26.3ではマスクを選択するとタイムライン上にトラッキングコントロールが表示されます。
実際に見てみましょう。
タイムラインパネルから、レイヤーを選択し、追跡したいオブジェクトにシェイプツールやペンツールを使ってマスクを作成します。

タイムラインパネルで、マスクを展開して表示されるマスクパスの横にマスクトラッキングコントロールが追加されていることがわかります。

ここから次のような操作をそのまま実行できます。
- 1フレーム後方にトラック
- 後方にトラック
- 前方にトラック
- 1フレーム前方にトラック
一番右のレンチ形状のアイコンボタンをクリックすると、「マスクのトラッキングオプション」ダイアログが表示され、トラッキング方法を変更することができます。


このように、トラッカーパネルをわざわざ表示しなくてもタイムラインパネル上でマスクトラッカー操作が完結でき、利便性が向上しています。
本当に早くなっているのか検証してみた
After Effects Ver26.3とVer25.6.6のそれぞれのマスクトラッカーを使って、処理速度の比較を行いました。
今回2種類の動画で、「位置、スケール、回転」を使ってマスクトラッキングを行い、それぞれの処理時間を計測。以下の表はその結果をまとめたものです。
| Ver25.6.6 | Ver26.3 | |
|---|---|---|
| 1つ目の動画 | 44秒72 | 11秒33 (約3.95倍高速) |
| 2つ目の動画 | 1分5秒46 | 16秒73 (約3.91倍高速) |
1つめの動画は人の顔を、2つ目の動画は走行中の車をマスクトラッキングしてみましたが、どちらもVer26.3のほうが旧Verよりも約4倍近い早い結果となりました。
また、トラッキング精度についても、Ver26.3のほうが最後まできれいにトラッキングできていた印象です。
高速化も精度の向上も実際に体感することができました。
まとめ
今回のアップデートは、マスクトラッキングを利用するユーザーにとっては非常に実用的な改善です。
- 最大5倍高速化した新しいトラッキングアルゴリズム
- トラッキング精度の向上
- タイムラインパネルから直接操作できる新しいワークフロー
この3つの改善によって、人物のマスク・モザイク処理や部分補正、オブジェクトへのエフェクト適用など、日常的な編集作業がこれまで以上に快適になりました。
まだ試していない方は、Ver26.3の新しいマスクトラッカーをぜひ試してみてください。



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